「同じ会社で働き続けてきたけど、仕事がつまらなくなった。」
「転職したけど、本当にやりたい仕事とは違う」
そんな気持ちを抱えながら、仕事をすぐにでも辞めたいと思っている40代の男性は意外に多いのでは?
でも、40代で仕事を辞めたらあとがないし……。
大丈夫です。
40代で会社を辞めて転職する人は、今の時代では当たり前ですよ。
そこで今回は、私Webライター6年目のシモが、仕事を辞めたい40代サラリーマンのあなたに向けて、仕事を辞めても大丈夫であることを、経験談も交えお話ししたいと思います。
(実は私も40代でサラリーマン生活に挫折して、会社員を辞めているんです。)
この記事を読むことで、今の仕事を辞めて前向きな一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
- 40代はキャリア見直しの時期
- 「仕事を辞めたい」と思う4つの理由
- 家族のいる40代男性は仕事を辞めたくても辞められない
- 40代サラリーマンの転職事情
- 仕事を辞める前」と「辞めたあと」に、家族の信頼を失わないための3つの対策
- 今後のキャリアを考えるうえでの自己分析の必要性
40代はキャリア見直しの時期
かつての40代男性は、不惑の世代(自分に自信を持ち迷いなく突き進む年代)などと呼ばれていましたが、今はそうとも言い切れません。
仕事では、昇進や昇給が見込めずキャリアが停滞していたり、家庭では子供の教育費や住宅ローンの問題を抱えていたり。
ご自身の親の介護をされている方もいるでしょう。
「このまま今の会社に居続けて、積み上げられるスキルはあるだろうか?」
「自分の人生は、家族のためだけに費やされるのだろうか?」
このように漠然とした不安に襲われている方も少なくないはずです。
ある専門家の話によると、40代は今後のキャリアを見直す時期に差し掛かかっている年代だと言います。
1つの会社に勤め続けて社内スキルを身に付けていけば、無事に定年を迎えられる時代は終わりました。
ここ数年は、働き方も多様化していて、自分自身でスキルを身に付けてキャリアを築いていかなければ生き残れない時代なのです。
「仕事を辞めたい」と思う4つの理由
40代男性が仕事を辞めたい理由はいくつかありますが、主に下記のような4つの理由があげられます。
- 職場の人間関係
- 仕事内容の不満
- 労働環境の不安
- やってみたい仕事へのあこがれ
この章では、私の実体験も交え、その理由を具体的に4つ取り上げてみたいと思います。
①職場の人間関係の不満(職場のパワハラ)
40代のサラリーマンが仕事を辞めたいと思う理由の1つめは、職場の人間関係です。
特に「職場のパワハラ」は、仕事を続けていくことを困難にします。
2023年(令和4年)の職場のパワハラ相談件数は、過去最多の44,568人と2年前と比べて3倍ほどの増加です。
・2021年(令和3年) 14,078人
・2022年(令和4年) 18,422人
・2023年(令和5年) 44,568人
次に、Job総研が2023年に行った男女20~50代の354人の社会人(1年以内〜10年以上勤務)を対象にした調査結果を紹介します。
・20代は37.3%
・30代で83.5%
・40代で85.7%
・50代は75.7%
この調査によれば、「ハラスメントを感じた経験あり」と答えた40代の割合は約9割と、最も高い数値になっています。
ハラスメント被害の原因は、上司によるパワハラが72.5%です。
先輩からのハラスメントが、27.0%の状況と比べても圧倒的に多いことがわかります。
ハラスメントの具体的内容は、下記の通りです。
個人の人間性や能力を否定する陰湿なパワハラが多い傾向にあります。
パワハラを受けた側の影響は下記の通りです。
パワハラのダメージは、精神に影響を与えますね。
私もかつて、上司に否定されるようなことを言われ、精神的に参った経験があります。
具体的には、「君の能力じゃどこに行ってもやっていけないよ」という言動です。
さすがに辞めようと思いましたね。
また、「パワハラが原因で退職を考えた」経験のある40代は、59.5%と他の年代よりも多い傾向にあるとの結果も出ています。
データ参考:(JoB総研 【2023年 ハラスメント実態調査】)
物価高による業績不振などにより、職場に余裕のない状況が生まれ、パワハラを引き起こしているんでしょうか?
②仕事内容の不満
40代のサラリーマンが仕事を辞めたい理由の2つめは、「仕事内容の不満」です。
マイナビリサーチラボが実施した2023年の調査によると、下記の結果が出ています。
- 仕事内容に不満がある 26.6%
- 給与が低かった 26.0%
- 会社の将来性、安定性に不安があった 23.7%
- 職場の人間関係が悪かった 19.8%
- スキルを活かしたかった 13.9%
参考:マイナビキャリアリサーチラボ【年代別】20代・30代・40代・50代それぞれの「転職率」と「転職理由」を解説
40代になると仕事にマンネリ感が生まれるため、自分がより興味を持てる分野の仕事に関心が向くのでしょう。
私も、30代前半から40代前半まで所属した会社で、同じような経験があります。
映画関連の受発注を行う物流事務の仕事だったんですが、伝票発行や出荷指示などの決まり切った仕事を繰り返すうちに、どうにもモチベーションが上がらなくなってしまいました。
そこで、以前から挑戦してみたかった文章の仕事に就きたいと思い退職を決意したんですが、上司の執拗な引き留めに合い、ズルズルと在籍することになってしまいました……。
③労働環境が不安
労働環境の不安で、仕事を辞めたいと思う40代のサラリーマンも多いと思います。
残業続きだったり、休日出勤が多かったりと休みなく働かされている生活。
仕事のためだけにプライベートを削る生活は、仕事をはじめたばかりの新人なら多少は受け入れられるかもしれませんが、40代だとさすがに厳しいですよね。
家族がいる場合は、なおさらです。
「家族との時間を削ってまで仕事をし続けることに何の意味があるのだろう?」と不安が襲ってくるのも、無理はありません。
給料が低かったり、残業代やボーナスが出なかったりする会社で仕事を続けるのも、辞めたい原因になるでしょう。
私が43歳の時に入った会社は、まさにそのような環境でした。
給料は20万円にも満たず、社会保険は未加入。
残業代やボーナスは当然出ません。
労働者の当然の権利である保障がない会社は、さすがに厳しいですよね。
④やりたい仕事がある
さまざまな経験を積むなかで、「本当にやりたかった仕事」に気付くこともあるでしょう。
株式会社ビズヒッツの運営するメディアBiz Hitsが行った「40代の転職に関する調査」では、以下のような結果が出ています。
やりたい仕事を求める人が1位にランキングされています。
参考:(40代で未経験の仕事に転職した理由ランキング!男女146人アンケート調査)
もし、やってみたい気持ちがあるのなら、今の仕事を辞めて挑戦してもいいかもしれません。
しかし、いきなり辞めるのに抵抗があるなら、仕事をしながら動いてみることがおすすめです。
私は、40代で3度目の転職をした会社を辞める前に、終業後、希望のライター職の面接を受けまくっていました。
ある会社で300文字ほどの簡単な商品紹介記事を書かせていただく機会を得たので、通勤電車の移動時間に、必死でスマホで記事を書いた記憶があります。
1万円ほど稼げた時には、自信が持てたとともに、次に向かうきっかけを得られたような気分でした。
私の例は、Webライターですが、他の仕事でやりたいことがあるならば、挑戦してみてはいかがでしょうか?
家族のいる40代男性は、仕事を辞めたくても辞められない
40代男性の中には、仕事を辞めたいと思っていても家族のことを思って辞められない方もいるはずです。
エン・ジャパン株式会社が運営するミドル世代に特化した求人情報サイト「ミドルの転職」が実施したアンケート(有効回答数2,483名)の結果があります。
このアンケートでは、30~60代のミドル世代で、家族に転職を反対されたことのある男性は、全体で33パーセントとの結果に。
なかでも男性は、奥様の反対が73%にものぼっています。
40代の男性に限ると、64%が奥様に反対されているという結果です。
家族がいる場合、住宅ローンや教育費でお金がかかる方も多いので、そう簡単には仕事を辞めることができず、「家庭と仕事の悩み」の板挟み状態に陥っている姿が想像できます。
(参考:ミドルの転職 第190回アンケート集計結果「転職への家族ブロック」について )
私のかつての同僚(45歳)に、この件について話を聞いてみました。
もう45歳だし、辞めたら給料も減ると思うときびしいなー。反対されるからうちの妻には、相談できないっすよ。
心の底では仕事を辞めて新たな道を探したくても、なかなか行動に移せないのが現実ではないでしょうか?
40代サラリーマンの転職事情
「仕事をすぐにでも辞めたいけれど、40代で転職をするなんて、リスクしかないよね?」
そのように後ろ向きな気持ちで、退職をあきらめている方も多いんじゃないでしょうか。
この章では、40代のサラリーマンが仕事を辞めるのに勇気の出るデータを紹介します。
40代男性の転職率は意外に高い!
転職求人サイトマイナビの「マイナビキャリアリサーチラボ」が実施した20代~50代の正社員の男女1,500人を対象にした「転職動向調査2024年版(2023年実績)」では、下記の数値が出ています。
40代で会社を辞めても、転職できる可能性があると言えるのではないでしょうか。
(参考:マイナビキャリアリサーチLab 【年代別】20代・30代・40代・50代それぞれの「転職率」と「転職理由」を解説)
2025年問題も40代サラリーマンの退職を後押し!
2025年問題も40代のサラリーマンには、追い風になりそうです。
1947〜49年に生まれた世代が75歳以上になることで、働き手不足が加速したり、社会保障負担が増したりすること
働き手不足が加速すると雇用の流動化(人材が移りやすい状態)が起こりやすくなり、40代男性にも新たな職に就くチャンスがあると言えそうです。
つまり、会社を辞めてもその未来は決して暗くありません。
ただし、しっかりと自分の進むべき方向を考えておかないと、失敗するのでご注意を。
私は40代で3回転職を経験していますが、どの仕事もなんとなく合いそうだとの理由で決めてしまい失敗しました。
「仕事を辞める前」と「辞めたあと」に、家族の信頼を失わないための3つの対策
突然会社を辞めることになってしまったら、家族を不安にさせてしまいますよね。
収入が途切れるのは本当に困る。この先どうするか、ちゃんと考えてるの???
こんなことを奥様に言わせてしまわないよう、「会社を辞めるまえ」「辞めたあと」の対策を考えておきましょう。
ここでは3つの対策を取り上げます。
①誠意を持って説明する
まずは、家族に「なぜ、会社を辞めたいのか?」を誠意を持って奥様に伝えましょう。
単に働くのが嫌だからと思わせてはいけません。
具体的には、
- 職場の雰囲気が悪く、精神的に辛い
- 給料が低くてこれから先の生活が不安
- やりたいことができた
これらの理由をしっかりと伝えて、理解を得るようにしましょう。
私は40代まで11年間働いていた会社の雰囲気が変わって精神的に参っていた時に、妻と何度も真剣に話し合った結果、「それなら仕方ない」と、退職に至った経験があります。
また、会社を辞めたあとは、転職活動の状況を定期的に報告し、「着実に動いている」と伝えることも大切です。
私が40代で転職活動をしていた体験で言うと、妻には1週間に1回は活動状況を細かく伝えるようにしていました。
「ハローワークで、営業の仕事があったので応募してみた」とか、「求人サイトで事務の仕事を募集していたので、応募したら面接に呼ばれた」などのように。
決まっていない状況での報告でしたが、何をやっているかわからない状況で不安にさせるよりは、良かったと思っています。
②生活費の節約意識
仕事を辞めたあとでも、生活資金は嫌でもかかります。
「毎日の食費」「光熱費」「家賃」「通信費」「各種保険」(健康保険・国民年金・生命保険)などです。
人によっては、住宅ローンの返済金や子供の学費がかかる方もいるでしょう。
そのため、仕事を辞める前に、できる限りの節約意識を持っておくことが必要になります。
具体的には、
- 自炊を心がける(作り置きや冷凍保存の活用も)
- 節電・節水を心がける
- 格安携帯に切り替える
節約をすることで、少しでも生活を楽にできればいいですね。
「保険料の免除制度」などについて、近所の区役所の年金窓口などに問い合わせもしておきましょう。
ハローワークに失業給付金の申請をすることもお忘れなく。
場合によっては、アルバイトや副業などの臨時収入を得て生活費にあてることも大切です。
ちなみに私は40代で転職を3回していますが、失業した時には、貯金を切り崩して家賃や生活費に充てていました。
妻に家賃や食費を出してもらうこともあったので、かなり迷惑をかけていたと反省しきりです。
③家事や育児を率先して手伝う
収入が減る分、家事や育児に積極的に参加して、少しでも家の手伝いをすることも大事です。
今まで家のことを手伝ってこなかったならば、これをいい機会に家事を覚えてもいいかもしれませんね。
【奥様と2人暮らしの家庭の場合】
- 掃除・洗濯
- 毎日の食事の用意や皿洗い
- ゴミ出し
【小さなお子様がいる家庭の場合】
- 子供の保育園の送り迎え
- 朝食夕食の準備
- はみがきや寝かしつけ
これらの仕事をこなすことで、奥様との信頼関係もより深くなるはずです。
私は、40代までやってこなかったのですが、失業したことをきっかけに、家事全般を覚えました。
特に、人に食べさせるごはんを作ったことがなかったので、かなり困りました。
そこで役立ったのが、料理レシピ掲載サイトクックパッドです。
自分で作れそうなご飯を調べて、そのレシピから、食材を近所のスーパーに買い出し。
妻が仕事から帰ってくるまでに、夕ご飯を用意して待っているという生活でした。
その経験は子供が生まれてからの私の主夫業でも役立っているので、見方を変えれば、40代で仕事を辞めたのもプラスと今では思えますよ。
今後のキャリアを考えるうえでの自己分析の必要性
「とにかく家族を安心させなければ」と焦るあまりに、中途半端に活動して転職を決めてしまっては本末転倒です。
そのためにも、まずは自己分析が大事です。
「小さな頃、あこがれていた職業は何だったのか?」「1日中、没頭していても飽きずに続けられたことは何か?」「自分の強みや弱み」などを、ノートに書き出してみて自分のやりたい仕事を探してみましょう。
もし、自分にはどんな仕事が向いているのかわからなければ、転職エージェントに登録する方法もあります。
ただし、転職エージェントは、短期的な転職活動をサポートはしてはくれるものの、長期的なキャリアにつながる「自分の強み」や「価値観」を見つけてくれるものではありません。
「自分が本当にやりたいことは何なのか?」「自分はどんな価値観を持った人間なのか?」を知りたいのなら、キャリアコーチングの方が、ふさわしいでしょう。
キャリア・コーチングは、お一人おひとりが自分ならではのキャリアデザインを持ち、さらに行動を変えながら自立的に実現してゆけるよう継続的にサポートするキャリア支援サービスです。
引用元:日本キャリア・コーチング株式会社
40代で仕事を辞めても終わりじゃない。行動することで次が見えてくる!~
今回は、仕事を辞めたい40代のサラリーマンのみなさんに向けて、仕事を辞めても大丈夫な理由についてお話してきました。
- 家族のいる40代男性は仕事を辞めたくても辞められない状況にある。
- 40代のサラリーマンの転職率は過去最高の数値と同数で推移しており、転職しやすい状況
- 家族の信頼を失わないよう「奥様への説明」や「生活費の節約」「家事の手伝い」などをすることが大切
- 「自分の強みや弱み」「以前からやりたかったこと」など、過去の経験やキャリアを見直す自己分析も必要
もし自分の方向性に迷ったら、転職エージェントやキャリアコーチングの協力を得るのも方法の一つ。
相談するなかで自分のやりたいことが明らかになり、自分の進むべき道が見つかるといいですね。
それは、会社への転職だけでなく、フリーランスや起業という選択肢かもしれませんよ。
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