サラリーマンを辞めて、フリーランスとして働きたい。
事業計画書を作ったほうがいいかな?
でも、起業しているわけじゃないんだから、特に必要ないんじゃない?
これからフリーランスとして仕事をするなら、事業計画書を作成しておいたほうが良いですよ。長期的な目標設定が明確になったり、今やるべきことが見えたりしますからね。
今回は、サラリーマン生活を卒業してフリーランスに進もうとしているあなたに、フリーランスが事業計画書を作成するメリットや事業計画書に盛り込むポイントについて解説します。
- フリーランスが事業計画書を作る5つのメリットがわかる
- 事業計画書に書く基本的な9つのことがわかる
事業計画書とはどんなものだろう?その目的
事業計画書は、自分がこれから行う事業の内容や計画を示した書類のことを言います。
具体的には、その事業でどれだけ収益が発生するのか、事業をどうやって運営していくかなどを記します。
フリーランスは法人を設立しないで、開業届を提出すれば誰でもはじめられるため、事業計画書を作らずにフリーランスとして活動している人も多くいるようです。
しかし、自分のフリーランスとしての現在地を客観的に把握するためにも、作っておいたほうがよいでしょう。
フリーランスが事業計画書を作る5つのメリット
先述しましたが、フリーランスは開業届を出しさえすれば、仕事をスタートできます。
しかし、自由な働き方と引きかえに、さまざまな悩みに直面する可能性があります。
例えば、フリーランスとしての目標が定まらずに迷ってしまう、収入が安定しないなどの悩みです。
そんな時、事業計画書は、あなたのビジネスの羅針盤となり、迷いを消し去り目標達成へと導いてくれるでしょう。
ここではフリーランスが事業計画を作る5つのメリットについて解説します。
①フリーランスとしての強みと弱みの明確化
事業計画書を作ることで、自分の強みや弱みを客観的に分析できます。
それにより、フリーランスとして伸ばすべきところと補うべきところが明らかになるのです。
例えば、分析の結果、SEOライティングは得意なものの、デザインのスキルが低いとわかったなら、「SEOライティングの能力を伸ばしつつ、デザインスキルは独学したりデザイナーと連携したりして補おう」といった戦略を立てられます。
事業計画書を作ることで、自分の強みを活かしながら弱みを克服し、理想のキャリアを築いていきましょう。
②長期的な目標設定を立てられる
事業計画書を作ることで、長期的な目標設定ができます。
目的が明らかになると、将来のビジョンが描きやすくなるからです。
例えば、下記のようなビジョンです。
このようなビジョンをもって、モチベーションを維持しながら目標に向かって一直線に進んでいきましょう。
ただ、市場の変化や競合の出現など、さまざまなリスクが考えられるため、定期的に事業を見直して必要に応じて修正していくことも重要です。
③今すぐ実行すべき具体的な行動がはっきりする
事業計画書を作成することで、今すぐ実行すべき具体的なアクションが見えてきます。
例えば、住宅関連に特化したwebライターになりたいのであれば、SEO対策や住宅関連の関連書籍を読んだり、オンライン講座で学んだりといった行動です。
事業計画書を作ることで、現在足りないところを克服する道筋がわかるでしょう。
④クライアントとの信頼関係を築ける
事業計画書を作成数ル事は、クライアントとの信頼関係を築くのにも役立ちます。
事業計画書は、あなたがフリーランスとして仕事をするうえでの行動計画や熱意を示すものなので、クライアントにあなたのプロ意識の高さをアピールできるからです。
クライアントとの初回打ち合わせの際に事業計画書を見せれば、あなたがフリーランスとして事業を行う情熱や長期的なビジョンを理解してもらいやすくなるでしょう。
事業計画書があることで、クライアントはあなたのサービスが自社の課題解決にどのように役立つのを知るきっかけとなるのです。
⑤起業の際の資金調達がスムーズになる
事業計画書の作成により、将来の起業を考える際に金融機関からの資金調達がスムーズになります。
事業計画書はあなたの事業のビジョンやビジネスプランを具体的に示すものであるため、「あなたの事業がどれだけ成長の見込みがあるのか」「どのように資金を作り出せるのか」を、具体的に説明できるためです。
事業計画書を作成するなかで、事業のリスクを事前に洗い出して、対策を取っておけば、さらなる信頼を得ることができるでしょう。
その結果、事業の拡大に必要な資金確保につながるのです。
フリーランスの事業計画書で、基本的に盛り込む9つのポイントとは?
フリーランスがはじめて事業計画書を書くに当たって、どんな要素を入れるのがよいのでしょう。
ここでは、フリーランスの事業計画書に盛り込む内容について解説します。
①フリーランスになった動機・目的
「なぜ、その業種でフリーランスになったのか」「フリーランスになって実現したいこと」などフリーランスになった動機と目的を、わかりやすく記載します。
例えば、webデザイナーでフリーランスになった方の例です。
このような内容で、フリーランスになった動機や目的を記述していきましょう。
②プロフィール
自分自身のプロフィールを記載します。
具体的には、学歴や職歴、保有資格や専門知識などです。
職歴には、詳しい業務内容なども記載しておくと相手に伝わりやすくなります。
「仕事での実績」「仕事を行ううえでの信念や価値観」を記載してもよいでしょう。
事業計画書のプロフィール欄はいわば、求人先の職務経歴書を書くような気持ちで記載するのがよいのかもしれませんね。
③フリーランスとして提供できる商品・サービス
自分がフリーランスとして提供できる商品やサービスの詳細、販売ターゲットや戦略などを記載していきます。
例えば、下記のような内容です。
このように、自分がフリーランスとして提供できるサービスについて、具体的にアピールするのがポイントです。
④サービスの強みと弱み
事業計画書には自分の強みと弱みを記載していきます。
まず自分のサービスの強み。競合と比較して優れている点を記載します。
ここではwebライターを例に取り上げます。
弱みの部分では、競合と比べて弱い部分を記載します。
具体的には下記の通りです。
重要なのは、ただ単に弱みを記載するのではなく、具体的な改善策を明記しておくことです。
このように改善策を記しておくことで、フリーランスとして成長する可能性を示すことができます。
⑤取引先
事業計画書の取引先欄は、事業の安定性や将来性を示すうえで大事な部分です。
既存の取引先だけでなく、今後取引予定のあるクライアントも詳しく書いておけば、事業の安定性をアピールできるでしょう。
事業計画書に記載する項目には、取引先の名称や業務のシェア率、掛取引(あと払い)の割合、回収・支払いの条件などを書く欄が設けられています。
ただ、フリーランスとして掛取引があるケースはまれなので、ブランクで良いでしょう。
⑥従業員数
従業員の人数を書きます。
現在の従業員の数や今後採用するであろう予定人数などを記す欄です。
ただ、フリーランスとして働く場合、はじめから従業員を雇って仕事をスタートするのはまれかもしれません。
従業員がいなければブランクで、従業員の欄はあなた一人のみとなります。
⑦貸入状況
個人的に借入(お金を借りている状況)があるなら、現在の借り入れ状況と返済の見込みをそれぞれ記載しておきます。
借入は具体的に、住宅ローンや教育ローン、自動車ローンや教育ローンなどです。
それらを、「どこから」「いくら借りているか」を記載します。
事業計画書の記入欄には、貸入残高、年間返済額予定額を記載する欄があります。
⑧必要資金と資金の調達法 (イラストACで画像を取る)
事業計画書に必要資金と資金の調達法も記載しましょう。
具体的には、設備資金や運転資金などの必要資金と、自己資金や家族からの貸入、クレジットカードなど、資金を調達する方法を記入します。
表で言うと左側に必要資金を、右側に調達方法を記載します。
例えば、下記のような表になります。
項目 | 必要金額(円) | 調達方法 | 金額 |
設備投資(パソコン、モニター、ソフトウェア購入など) | ○○万円 | 自己資金 | ○○万円 |
運転資金(家賃、光熱費、通信費、食費など) | ○○万円 | 自己資金 | ○○万円 |
予備費(税金、病気など、想定外の支出) | ○○万円 | 自己資金 | ○○万円 |
合計 | ○○万円 | 合計 | ○○万円 |
これはあくまで一例ですので、作成する際には、しっかりと調べて具体的な金額を記入してください。
⑨事業の見通し
フリーランスとしての事業の見通しも記載します。
事業開始時の売上高、売上原価、1年後、3年後、5年後の計画を立てていきます。
売上高に関しては、根拠にもとづいた見通しを立てる必要があります。
あとから見返した時に、数字の面でつじつまが合わなかったり、大きな間違いがあったりする計画書になってしまうからです。
しかし、フリーランスをはじめたばかりでデータが少ない場合は、うまく予想できませんよね。
その場合には同業種の平均的な売上高や、国税調査・各市町村の人口調査などの各種統計資料を参考にして作ってみても良いでしょう。
フリーランスが事業計画書を書くなら無料のテンプレートを!
事業計画書を作ると言っても、何を使えばいいのか迷うところです。
現在は、フリーランス向けの事業計画書は、ネットで調べれば簡単にダウンロードできます。
今回、私は、マネーフォワード クラウドさんのものがシンプルでわかりやすそうだったので、ダウンロードしてみました。
マネーフォードクラウドさんの無料事業計画書のダウンロードの手順は、下記の通りです。
私はフリーランスなので、未設立を選びました。
「1週間」「1ヶ月」「3ヶ月」「半年」「1年以内」「未定」の項目あり。私はこちらも未定を選びました。
これでダウンロードは、完了です。パソコンに、Wordの事業計画書がダウンロードされるので、項目に沿って書いてみましょう。
まずは完璧を求めずに、書けるところから書くのがポイントです。
事業計画書を書いてみよう!完璧を求めず、その都度ブラッシュアップするのが大事!
今回は、フリーランスが事業計画書を作るメリットや、事業計画書に盛り込む基本的な内容について解説してきました。
- 事業計画書を書くことで、「自分の強みと弱みが明確になる」「長期的な目標設定ができる」「自分の今やるべきことがはっきりする」「クライアントにプロ意識の高さをアピールできる」「起業の際の資金調達がスムーズになる」
- 事業計画書には、「フリーランスになった目標・動機」「プロフィール」「提供できるサービス」「サービスの強みと弱み」「取引先」「従業員数」「貸入状況」「必要資金・資金の調達法」「事業の見通し」を書く
事業計画書を作成することで、あなたは自分のビジネスをより深く理解し、目標達成に向けて確実な一歩を踏み出すことができるはずです。
ぜひ、事業計画書を作成して、あなたのフリーランスとしてのキャリアを成功させましょう。
実は私、今年フリーランス5年目を迎えますが、恥ずかしながら事業計画書を作ったことがありませんでした。
これからフリーランスとして生き残っていくうえで、遅ればせながら、事業計画書を作ってみようと思います!
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