2000年に公開されたキャメロン・クロウ監督の映画『あの頃ペニー・レインと』という作品を知ってますか?
15歳の少年が音楽雑誌・ローリングストーン誌でライターデビューするという監督の実体験をもとにした物語です。
「え、15歳でライターなんて、どうせ夢物語でしょ?」
そんな風に思うかもしれませんが、この映画にはフリーランスライターを目指す人にとって、とても参考になるヒントがつまっているんですよ!
主人公のウィリアム・ミラー君のライターとしての足取りを追っていくと、「今の時代にも通じることだな」と気づかされることがたくさんあります。
というわけで今回は、この名作映画『あの頃ペニー・レインと』から学ぶ「好きを仕事にするのに必要な3つのこと」「チャンスのつかみ方」「プレッシャーの乗り越え方」などを紹介します。
(一部、物語の内容に触れる部分がありますので、未見の方はご注意ください!)
『あの頃ペニー・レインと』予告篇と概要
まずは、この映画の予告篇と概要を見てみましょう。
映画『あの頃ペニー・レインと』予告篇
映画『あの頃ペニー・レインと」概要
映画『あの頃ペニー・レインと』のストーリーは、以下の通りです。
厳格な母に育てられ、セックスもドラッグも知らない優等生。そんなウィリアムが地元誌に書いた原稿がローリングストーン誌の目に留まり、フツーの15歳の生活から一転、ロックの世界に没頭してゆく。ブレイク寸前のバンドに同行取材することになったウィリアムは、グルーピーのリーダー、ペニー・レインと出会う。それは切ない恋の始まりだった…。『ザ・エージェント』『バニラ・スカイ』のキャメロン・クロウ監督の自伝的ストーリー。
引用:ソニー・ピクチャーズ
「好き」を仕事にするために必要な3つのこと

フリーランスライターとして成功するための第一歩は、実は技術的なスキルじゃありません。
この映画の主人公であるウィリアムの物語から学べるのは、好きなものへの情熱、継続力、最初の一歩を踏み出す勇気です。
この章では、好きを仕事にするために必要な3つのことについて取り上げます。
必要なこと①好きなものへの情熱が一番の原動力
ウィリアムって最初から「ライターになるぞ!」って思ってたわけじゃないんですよね。
お姉さんが聴いていたレコードを聴きまくっているうちに、音楽が好きで好きで仕方なくなっただけ。
でも、その純粋な「好き」という気持ちが、結果的に彼をプロのライターにまで押し上げたんですよ!
これって今からフリーランスライターになりたいと考えている人にもめちゃめちゃ当てはまる話です。
ライター業は、「副業で稼げそう」とか「リモートで楽そう」みたいなきっかけで始める人もいますが、正直それだけでは続きません。
クライアントの案件をただこなすだけでは、疲弊してしまうだけですからね。
本当に長く続けられるのは、「この話、絶対みんなに伝えたい!」と思えるような好きな分野があるかどうかなんです!
必要なこと②継続力も重要な要素!
ウィリアムが音楽ライターとして成功した理由は、単に音楽が好きだったからじゃありません。
「お姉さんが残していったロックのレコードを毎日聴き続け、それを記事として書き続ける…」
そんな地道な努力があったからこそ、業界の人間やバンドたちと対等にロックについて語れるようになっていったんですよ。
フリーランスライターも同じです。
「好き」だけじゃ仕事にはなりません。
毎日少しずつでも書き続ける、情報収集を続ける、スキルアップのための勉強を続ける。
この継続力があるかどうかで、趣味で終わるか仕事になるかが決まるんです。
「今日は忙しいから」「今日はモチベーションが上がらないから」って言い訳してサボってしまうことって、誰にでもありますよね?
でも本当に成功するライターは、そんな日でも15分でも30分でも、何かしら続けてるんですよ。
継続は力なり。
ウィリアムの姿はそんなことを教えてくれます。
関連記事:【Webライター必見】1日10分から始める「写経」のすすめ!文章力を劇的に向上させよう!
必要なこと③一歩を踏み出す勇気!
15歳で音楽雑誌に記事を書こうと決めたウィリアムの行動力は、本当に見習うべきところが多いものです。
普通なら、「まだ早いかな」「もっと勉強してからにしよう」なんて言い訳しそうなところですが、彼は迷わず行動します。
『クリーム誌』の編集長であり、伝説的音楽評論家レスター・バングス(フィリップ・シーモア・ホフマン演 ※以下レスターと表記)に、自分の書いた学校新聞の記事を添えた手紙を送り接触。
レスターと面談する機会を得て、35ドルのギャラ(今でいう1万円くらい?)で記事の執筆を取り付けてしまうんですよ!
「経験がない」「まだ実績がない」などという理由でいつまでも長い準備期間を続けてる人って、けっこう多いような気がします。
でも実際のところ、完璧になってからスタートなんて不可能な話。
まずはブログでもnoteでもいいから、何か書いて発信してみましょう。
小さな一歩でも、続けていれば必ず誰かが見てくれてますよ!
チャンスは意外なところからやってくる!出会いを引き寄せるための3つのコツ

ウィリアムとレスターの出会いが教えてくれるのは、人脈作りとメンター探しの重要性です。
この章では、運命的な出会いを引き寄せる方法、人脈作り、メンター選びなど、出会いを引きよせる3つのコツについて詳しく解説していきます。
①運命的な出会いを引き寄せ、つかみ取る
ウィリアムの人生を変えたのは、伝説的音楽評論家レスターとの出会いでした。
先述しましたが、この出会いは決して偶然ではなく、ウィリアムが勇気を持って行動を起こしたからこそ実現したんです。
もし彼が自分の書いた学生新聞を自己満足で終わらせていたら、この出会いは生まれなかったでしょう。
ウイリアムは、自分から次のステージへ進むために運命をつかみに行ったんです!
この姿勢は、非常に大事ですね。
②現代における人脈作り
現代ではSNSの普及により、自分が望む人とつながるハードルが格段に下がってます。
今や、Xやnoteなどのプラットフォームを通じて、直接コミュニケーションを取れる時代だからです。
しかし、単に「仕事をください!」とメッセージを送るだけでは意味がありません。
例えば出版社なら、業界への自分なりの見解や運営しているメディアへの感想、具体的な企画提案など、価値ある情報を提供する姿勢が求められます。
自分が相手にどれだけ貢献できるかを、熱心に伝えるべきということですね。
その気持ちはきっと、相手に伝わるはずですよ。
③良いメンターを見つけること
ウィリアムにとってレスターが理想的なメンターだったように、フリーランスライターにとってメンターの存在は非常に重要です。
メンターは必ずしも直接的な師弟関係である必要はありません。
尊敬するライターの記事を分析し、その文体や構成を学ぶことでもいいでしょう。
地域のライターコミュニティやオンラインサロンに参加することも新しい出会いをもたらしてくれるはずです。
取材で大切な3つのこと

ウィリアムが書いた記事がローリングストーン誌の目にとまります。
「神の声」「吠える犬」「ロック魂」…。
独自の表現で書いたロックへの熱い思いが、評価されたのです。
そこで提案したのが、同行したバンド「スティルウォーター」の取材記事。
提案は受け入れられ、ウイリアムはバンドのツアー記事を書くことになります。
この章では、ウィリアムに学ぶ「現場に飛び込む重要性」「取材対象者との人間関係を築くスキル」「客観性と主観性のバランスの取り方」について詳しく見ていきます。
①取材の現場に飛び込む勇気
ウィリアムは、スティルウォーターとの偶然の出会いをきっかけに、思い切って取材を申し込みます。
はじめは追い返されそうになるウィリアム。
しかし、彼はひるみません。
作品作りやギターサウンドへの熱い想いを語り、真のファンであることをアピール!
すると、その想いがバンドメンバーの心を動かし、見事ツアーへの同行を果たすことになるんです。
そして、ツアーに同行します。
そこには、バンドの真の姿がありました。
ライブの興奮や楽屋での素顔、メンバー同士の確執などなど…。
現場でしか得られない生の情報が、彼の記事に深みと説得力を与えることになるんです。
どんなにインターネットや本で調べても、生の情報は引き出せまん。
実際に現場に足を運んでその空気感を体験することこそが、本当の取材記事には大切なことだとウィリアムは教えてくれます。
②取材を通して人間関係を作るスキル
ウィリアムは最初、バンドメンバーから警戒されていました。
「あいつ、ローリングストーン誌に俺たちのことを洗いざらい書いちまうんじゃないか?」
しかし、彼の誠実さと純粋なバンドへの愛情が、次第にメンバーの心を開かせます。
特に、ギタリストのラッセル・ハモンド(ビリー・クラダップ演)との間には、単なるライターとバンドマンの関係を超えた深い絆が生まれます。
良い記事を書くためには、相手との信頼関係を築くことが不可欠。
そのためには、一方的に情報をもらうのではなく、相手の立場を理解して共感して時には一緒に悩み喜ぶ姿勢が大切です。
映画は、そんなことも教えてくれます。
③取材記事の主観性と客観性のバランス
ウィリアムが直面した最大の難題は、バンドメンバーとの個人的な関係とジャーナリストとしての自分の客観性のバランスでした。
ローリングストーン誌の編集部には、「ヨイショ記事ばかり書きやがって!」と言われる始末です。
取材対象者と親しくなればなるほど、批判的な視点を持つことが難しくなるジレンマ。
しかし、読者に対する責任を考えれば、時には厳しい現実も伝えなければならない。
ライターとして悩ましいところです。
読者への責任と取材相手への配慮。このバランスこそが、ライターの腕の見せ所です。
締め切りに追われるライターが知っておきたい3つの対処法

ウィリアムがローリングストーン誌の締切に苦悩する場面は、すべてのフリーランスライターが直面する試練を象徴しています。
この章では、映画から見るプロとしての責任感とプレッシャー、締め切り管理のコツ、執筆時の迷いの乗り越え方などについて紹介していきます。
①プロとしての責任感とプレッシャー
映画のクライマックスでウィリアムは、雑誌の締切に追われて必死に記事を書き上げようとしますが、バンドとの関係性や複雑な感情が邪魔してなかなか筆が進みません。
編集部からのプレッシャーも日増しに強くなっていきます。
このシーンは、すべてのフリーランスライターが経験することではないでしょうか。
どんなに個人的な感情があっても、プロとして契約した以上は責任を果たさなければなりません。
そこがフリーランスの厳しさでもあり、やりがいでもあるんです。
②時間管理に失敗したら?締切管理のコツ
ウィリアムは、取材に夢中になりすぎたり、バンドのファンであるペニー・レイン(ケイト・ハドソン)への恋心だったりで、記事を書く時間が十分に取れずにいました。
その結果、最後の最後で慌てることになってしまいます。
フリーランスライターにとって、時間管理は生命線です。
取材、執筆、推敲や校正にかける時間を逆算して、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切。
複数の案件を並行して進める場合は、優先順位を決めておくことも欠かせません。
③執筆時の迷いの乗り越え方
ウィリアムが記事を書けずに苦悩した理由の一つは、「読者には正直にすべての真実を伝えたい。でも、バンドメンバーを傷つけたくない。」という迷いでした。
このような曖昧な姿勢が結果として、ウィリアムの執筆を遅らせてしまうのです。
しかし、ウィリアムはレスターの助言を得てその迷いを振り払い、真実を一気に書き上げることを決心します。
フリーランスライターのキャリアには、必ずスランプがあります。
そんな時こそ、「なぜライターになりたかったのか」「だれに、なにを伝えたいのか」という初心を思い出すことが大切だと思うんですよ!
映画『あの頃ペニー・レインと』心に残った4つの名言

映画『あの頃ペニー・レインと』には、心に響く名言が数多く出てきます。
この章では、映画の中に出て来た「心に残る名言」を厳選して4つ紹介したいと思います!
①本物の音楽ってのは、音楽が人を選ぶんだ!
レスターがラジオ番組で語るセリフです。
「本物の音楽は、音楽が人を選ぶんだ。車の中やヘッドホンで聴くと、雄大な風景が広がって天使の合唱が響く。」
非常に良い表現ですねー。
この表現は、感性を磨くことの大切さを教えてくれます。
②評論家で成功したけりゃ正直に手厳しく書け!
レスターが、ウィリアムに初めて仕事を依頼する時に言ったセリフです。
おべっかを使うのではなく、取材対象者の真の姿を書くことの重要性を説いていますね。
勉強になります!
③あの雑誌は用心しろ!君の記事を手直しするぞ
ローリングストーン誌に記事を書くことを報告したウィリアムへの、レスターの忠告です。
「大手の雑誌は君を利用するだけだ。勝手に記事を手直ししてめちゃくちゃにする。でも、とにかく書いてみろ!」
大手メディアの厳しさを、愛情を持って伝えています。
④行き詰まった時は心を分かちあう友達を持て
記事が書けずに行き詰まったウィリアムを励ますレスターの言葉です。
一人で抱え込まず、信頼できる仲間に相談することの大切さを教えてくれます。
情熱を武器に自分のやりたいことに突き進もう!
今回は、映画『あの頃ペニー・レインと』から、好きを仕事にするために必要こと、チャンスのつかみ方、プレッシャーの乗り越え方などについて紹介してきました。
主人公のウィリアムが書いたバンド「スティルウォーター」の記事は、ローリングストーン誌に掲載されます。
しかし、ウィリアムの本当の成功は記事が掲載されたことではなく、一人の人間として、一人のライターとして成長したことなんですよ。
現代のフリーランスライターが直面する課題は、ウィリアムが70年代に経験したものと本質的には変わりません。
技術は進歩しましたが、良い記事を書くために必要な要素、「 情熱・誠実さ・努力・そして少しの勇気」は今も昔も同じです。
完璧である必要なんて、ありません。
ただ正直に、時に情熱的に、読者のことを真剣に考えて記事を書き続けること。
それができれば、きっと道は開けますよ!
あなたは、どんな「好き」を仕事にしたいですか?
コメント